

法人化のメリット記事って、世の中に死ぬほどあるよね。
「節税できる!」「信用が上がる!」「経費の幅が広がる!」
ぼくも法人化前にめちゃくちゃ読んだ。で、2025年に株式会社を設立して、もう1年経った。
結論から言うと、法人化して良かったとは思ってる。でも、メリット記事に書いてないリアルなデメリットも5つ、ガッツリ感じた。
「もうちょっと早く知っときたかった……」と思った瞬間を、正直に晒します。
- 法人化のリアルなデメリット5つ(実体験ベース)
- それでも法人化を続けてる3つの理由
- これから法人化する人への「3つの覚悟」
最後に「それでも法人化を続けてる3つの理由」と「これから法人化する人への3つの覚悟」もセットで書くので、判断材料にして欲しい。
デメリット① 社会保険料は「役員報酬の決め方」で大きく変わる
個人事業の「国保+国民年金」から、法人化すると「健康保険+厚生年金」に切り替わります。ここで効いてくるのが役員報酬の設定です。
報酬を高く設定すれば社会保険料はずっしり重くなります(しかも会社負担分も、会社=自分なので実質は自分の財布から)。逆に報酬を抑えれば社保は軽くできる——ただしその分、利益は会社に残り、個人で自由に使えるお金は増えません。
つまり「社保を抑えるか、個人の手取りを増やすか」のトレードオフ。ここの設計が思った以上にシビアで、メリット記事の『法人化したら手取り増えた!』を鵜呑みにすると面食らいます。役員報酬の決め方ひとつで、社保も手取りも大きく変わります。
デメリット② 決算・税務申告コストが個人事業の比じゃない
| 項目 | 個人事業時代 | 法人化後 |
|---|---|---|
| 申告サポート | 青色申告会 or 自力 | 顧問税理士契約が現実的 |
| 月額相場 | 0〜5,000円 | 3〜5万円 |
| 決算料 | — | 10〜20万円 |
| 年間トータル | 5万円前後 | 50〜80万円 |
しかも、このコストは売上に関係なく毎年発生する固定費。
「自分で法人決算やる」って選択肢もあるけど、別表4・別表5・勘定科目内訳明細書・事業概況説明書……ガチで専門知識がいる。本業に集中したいなら税理士は実質マスト。

デメリット③ 役員報酬が「年1回しか変えられない」固定縛り
ここ、個人事業時代の自由さを失った最大のポイント。
役員報酬は毎月同じ額を1年間払い続ける必要がある。期の途中で増減すると、超過分が損金算入できなくなる(=税金で持っていかれる)。
つまり、こういうことが起きる:
- 売上が爆増した期 → 役員報酬は上げられない(その期は会社に利益として残る → 法人税)
- 売上が下がった期 → 役員報酬は下げられない(会社の現預金が削れていく)
個人事業時代は「今月儲かったから来月ちょっと贅沢しよ」が自由にできた。これが消える。
期首(=決算翌月)の役員報酬決定が、その後1年の経営を左右する最重要意思決定の1つになる。これがプレッシャーになる人もいるし、規律になる人もいる。ぼくは後者寄りだけど、最初は戸惑った。
デメリット④ 黒字でも赤字でも「法人住民税」が毎年最低7万円かかる
個人事業から来ると地味にビビるのがこれ。法人住民税の「均等割」は、利益が出ていようがいまいが関係なく、会社が存在するだけで毎年かかります(最低でも約7万円〜)。
個人事業なら、所得がなければ住民税はゼロにできます。でも法人は「今年はちょっと休もう」が金銭的に許されない。会社を維持するだけで、年7万円〜は確実に出ていく(資本金・規模が増えると金額もスライドで増えます)。
休眠会社にすれば均等割が免除される自治体もありますが、それは「事業ほぼ停止」状態。中途半端に動いていると免除されません。法人化は“継続前提”のコミットメントだと、1年やって実感しました。
デメリット⑤ 廃業(法人解散)コストが重い
万一の話だけど、これも知っておくべき。
| 項目 | 個人事業の廃業 | 法人の解散・清算 |
|---|---|---|
| 必要書類 | 廃業届出書 1枚 | 解散登記 + 清算結了登記 + 官報公告 |
| 解散登記 | — | 登録免許税 約39,000円 |
| 官報公告 | — | 約30,000〜40,000円 |
| 清算結了登記 | — | 約2,000円 |
| 司法書士依頼 | — | + 5〜10万円 |
| トータル | 実質ゼロ | 15〜25万円 |
つまり「ダメだったら戻ろう」が個人事業時代と比べて金銭的にハードルが高い。


それでも法人化を続けてる3つの理由
ここまで読んで「え、法人化やめとこ……」と思った人もいるかも。
でもぼくは1年やって、法人化して良かったと思ってる。理由は3つ:
ぼくの場合、月利200万円台が安定して見えてきた段階で、節税メリットが社保デメリットを上回った。目安として月利が安定して100万円以上になってから法人化する判断は妥当。
銀行融資・クレジットカード審査・賃貸物件の法人契約・取引先からの見え方。「個人事業主」と「株式会社代表」で、相手の対応が明らかに変わる場面が何度もあった。事業を継続する上でジワジワ効いてくる。
役員報酬決定、決算、税務、社保手続き、就業規則……全部リアルに回す。経営者の視点が身につくスピードが、個人事業時代の何倍も速い。これは将来のキャリア・事業展開すべてに効く資産。
これから法人化する人への「3つの覚悟」確認
最後に、これから法人化を検討してる人に伝えたい3つの覚悟:
社保負担を吸収できる水準が最低条件。「今月100万円出たから法人化!」は危険、平均で見て安定してから。
売上の数%を「経営インフラ費」として払い続ける覚悟。これを「もったいない」と感じる規模なら、まだ早い。
廃業コスト・継続コストを直視した上で、5年は続ける前提。中途半端な気持ちで法人化すると、デメリットの方が先に効いてくる。
とはいえ、デメリット②③④の「決算・申告・帳簿の重さ」は、会計ソフトを使うだけでかなり軽くできます。ぼくも法人化してからは、日々の記帳から申告準備までソフトに任せて、税理士とのやり取りもスムーズにしています。(※具体的な税務判断は必ず税理士など専門家にご相談ください)
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まとめ:法人化はメリットだけ見て決めると後悔する
メリット記事は山ほどある。でも、5つのデメリットを直視した上で「それでもメリットが上回る」と確信できた時が、法人化のベストタイミング。
ぼくは結果として法人化して良かったと思ってるけど、5つのデメリットは事前に知っておきたかった。



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