「eBayで何が売れるの?」——これ、初心者から中級者まで全員がぶつかる問いです。でも、ネットの「売れる商品ランキング」を100記事読んでも、正直あまり当たりません。なぜなら、その多くが実際に売った人ではなく、想像や寄せ集めで書かれているから。
一番正確なのは、自分の実販売データを1回見ることです。今日は、ぼくの過去12ヶ月の販売実績573件から、本当に売れたフィルムカメラ10機種を、販売数・平均売価・利益率という”実数”で公開します。きれいごとの一般論ではなく、eBayの実取引データそのものです。
⚠️ 先に正直に言っておきます。この記事は中級者向け(月利10万→100万を目指すフェーズ)です。中判フィルムカメラは仕入れ単価が10〜50万円級で、状態の目利きや相場感も必要。副業を始めたばかりの人が、いきなり手を出す世界ではありません。そこは隠さず書きます。
ぼく自身、駆け出しの頃は「人気って言われてる機種」を雰囲気で仕入れて、何度も在庫を抱えました。流れが変わったのは、自分の販売記録をちゃんとデータで見るようになってから。「売れてる気がする」と「実際に売れた」は、まったくの別物だと痛感したんです。だからこの記事も、感想ではなく数字で話します。
1. このデータの前提
集計したのは2025年6月〜2026年5月の実販売573件(うちカメラボディとして機種を特定できたのが274件)。eBayの実取引履歴をCSVに落として、機種ごとに販売数・売価・利益率を集計した一次データです。推測はゼロ、全部「実際に売れた記録」です。
なお、この記事で公開するのは機種名・年間販売数・平均売価(USD)・平均利益率(%)まで。具体的な仕入原価や1本あたりの利益額は、手の内になりすぎるので伏せています。それでも、何が・どれくらいの価格で・どれくらいの利益率で売れているかは、十分つかめるはずです。
ちなみに「機種を特定できたのが274件」というのは、残りがレンズやアクセサリ、ジャンク扱いの部品取りなどだからです。ボディだけでなく、レンズ単体やアクセサリも合わせて573件——つまりカメラ周辺をまるごと扱って初めて、この件数になります。ボディだけで食べているわけではない、というのも正直なところです。
2. eBayで本当に売れたフィルムカメラ Top10(実数)
まずは結論のランキングから。販売数(年間に何件売れたか)の多い順に並べました。数字を見ながら「この機種、意外と利益率高いな」「これは単価のわりに薄いな」と、ぜひ自分なりに読んでみてください。
| 順位 | 機種 | 年間販売数 | 平均売価 | 平均利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Leica M6 | 20件 | $2,937 | 9.5% |
| 2 | Mamiya 645 | 20件 | $795 | 25.5% |
| 3 | Mamiya 7 | 12件 | $2,668 | 25.3% |
| 4 | Pentax 67 | 12件 | $766 | 22.7% |
| 5 | Hasselblad 500CM | 10件 | $2,489 | 21.8% |
| 6 | Contax G2 | 9件 | $2,300 | 15.0% |
| 7 | Nikon F | 9件 | $509 | 20.6% |
| 8 | Canon EOS-1V | 8件 | $1,003 | 19.3% |
| 9 | Voigtlander Bessa | 8件 | $930 | 30.6% |
| 10 | Contax T2 | 8件 | $1,096 | 20.0% |
こうして並べると、ただの「人気機種リスト」とは見え方が変わってきます。ここからは、このデータを「回転」「利益率」「単価」の3つの軸で読み解いていきます。
3. 「回転」の王者:Leica M6 と Mamiya 645
年間販売数トップは、Leica M6 と Mamiya 645がともに20件。これは月1.7本ペースで安定して売れ続けたということです。物販で一番こわいのは在庫が寝ること。その点、この2機種は「出せば捌ける」回転力が圧倒的でした。
面白いのは性格が真逆なこと。Leica M6は平均売価$2,937と高単価ですが利益率は9.5%と低め。一方Mamiya 645は売価$795と手頃ながら利益率25.5%。M6は「高単価×回転」で利益額を積み、645は「手頃×高利益率×回転」でバランスよく稼ぐ——タイプは違えど、どちらも主力として信頼できる機種です。
もう一つ補足すると、この2機種は「世界中に買い手がいる」のが回転力の正体です。Leica M6は言わずと知れたレンジファインダーの定番で、欧米のコレクター需要が分厚い。Mamiya 645は中判入門の鉄板で、ポートレート用途のプロ・ハイアマからの需要が安定している。需要のパイが大きい機種は、多少強気の価格でも買い手が現れる——回転を生むのは結局「需要の厚さ」だと、このデータは教えてくれます。
4. 「利益率」の伏兵:効率で稼ぐ小さな優等生
売価は派手じゃないのに、利益率が際立って高い”効率型”も見逃せません。Voigtlander Bessaは利益率30.6%。さらにランキング外まで含めるとFuji GX680は35.5%と全機種でもトップクラス。Mamiya系も軒並み25%前後です。
なぜコンパクト機は利益率が高くなりやすいのか。理由はシンプルで、本体が小さく軽いぶん、送料・梱包の負担が小さく、状態トラブルも中判より少ないから。中判のように大きく重い機種は、送料も保険も梱包材もかさみ、輸送中の破損リスクも上がります。同じ売価でも、手元に残る率はコンパクト機のほうが高くなりやすいんです。
資金が限られている中級者ほど、ここは狙い目。高単価機は1本の仕入れが重く、外したときのダメージも大きい。中単価×高利益率の機種を回転させるほうが、資金効率は良くなることがデータからも見えます。
5. 「高単価」帯:1本の重みが違う機種
逆に、1本が大きい高単価帯も魅力です。平均売価で見るとContax T3が$3,065、Leica M6が$2,937、Mamiya 7が$2,668。1本売れたときのインパクトが段違いです。
高単価機は資金拘束も大きく、1本が売れるまで数十万円が在庫として寝ることになります。回転が読めないうちに何本も抱えると、資金繰りが一気に苦しくなる。だから高単価機は「いつでも何本でも」ではなく、資金に余裕があるときに、目利きに自信のある個体だけを狙うのが鉄則です。
ただし高単価機は仕入れも高く、状態の見極めを外すと一発で赤字になります。Mamiya 7のように利益率も高い(25.3%)優等生もあれば、Contax T3のように単価は高いが利益率は14.6%と薄めの機種もある。「高く売れる=儲かる」ではないのがデータの教えです。
高単価機を扱うなら、「利益率も伴っているか」を必ずセットで見るのが鉄則です。売価$3,000の機種を利益率10%で売るより、売価$900の機種を利益率30%で回したほうが、資金回転を考えれば効率が良いことも多い。派手な売価に目を奪われず、率と回転を掛け合わせて判断する。これができるかどうかが、中級者と上級者の分かれ目だと思っています。
番外:件数では見えない「1本の稼ぎ」
ランキングは販売数の順ですが、「1本あたりの稼ぎやすさ」で見ると景色が変わります。具体的な金額は伏せますが、傾向だけ言うと——売価も利益率も両方高いMamiya 7やHasselblad 500CMは、1本の重みが圧倒的。販売数は中判645やM6に譲っても、効率の良さでは上位に食い込みます。
逆に、件数が多くても利益率が低い機種は、数を売って初めて利益がまとまるタイプ。「たくさん売れる機種」と「1本で稼げる機種」は別物で、自分の資金量や使える時間に合わせてポートフォリオを組むのが正解です。時間が取れないなら1本で稼げる機種に寄せる、回転重視なら件数の多い機種を厚くする——データがあると、この判断が勘ではなくなります。
6. データから見える3つの法則
573件を俯瞰すると、ぼくの実感とも一致する3つの傾向が出てきます。
- 中判(645/67/Hasselblad/Mamiya7)は安定の主力:件数・利益率ともにバランスが良く、土台になる。
- Leica/Contaxの一部は高単価×回転だが利益率は低め:キャッシュは大きく動くが、率では稼ぎにくい。
- コンパクト機(T2/T3/Bessa)は利益率が高い小さな優等生:仕入れが軽く、効率よく回せる。
つまり、「主力の中判で土台を作り、利益率の高いコンパクト機で効率を上げ、高単価機でたまに大きく取る」——この組み合わせが、ぼくの12ヶ月の実データが示す現実的な戦い方でした。
もう少し踏み込むと、この3つは「どれか1つを選ぶ」話ではありません。資金とともに段階的に組み合わせていくイメージです。最初は中判の定番で土台を作り、慣れてきたら利益率の高いコンパクト機で効率を底上げし、資金に余裕が出てきたら高単価機で1本の大きな利益を狙う。ぼく自身、5年かけてこの順番で扱う機種の幅を広げてきました。最初から全部を狙う必要はなく、今の自分のフェーズに合った機種から始めればいい——これが573件が教えてくれた、いちばん現実的な答えです。
7. なぜ「初心者向けではない」のか
ここまで読んで「中判、やってみたい」と思った人へ、もう一度ブレーキを。この価格帯は仕入れ単価が高く(中判で10〜50万円級)、状態の見極めや相場感がないと、一発で赤字になります。シャッター不良、モルト劣化、カビ、ヘリコイドの固着——見落とせば利益が吹き飛びます。
実際、中判のジャンク品やワケあり品は、写真では分からない不具合が潜んでいることが本当に多い。ぼくも何台も「外して」きました。その目利きは、残念ながら本やネットだけでは身につかず、場数でしか養えません。だからこそ、いきなり高額機に資金を突っ込むのは危険なんです。
始めたての人は、まず低単価機で「仕入れ→出品→発送→評価」の一周を何度も経験して、失敗が許される価格帯で場数を踏むのが先。中判はその先のステージです。仕入れ先の選び方は別記事にまとめているので、土台作りはそちらから。
8. 結局、最強は「自分の売れ筋データ」
ここまでぼくのデータを見せてきましたが、本当に大事なのは——あなた自身の実データを作ることです。ぼくのデータはあくまで「ぼくの仕入れルート・目利き・タイミング」での結果。あなたの環境では、売れ筋も利益率も変わってきます。
自分のデータが貯まってくると、「この機種は自分の仕入れルートだと利益が出やすい」「この時期は相場が上がる」といった、自分だけの勝ちパターンが見えてきます。これは誰のランキングにも載っていない、あなただけの資産です。だからこそ、最初から販売記録はCSVなどで残しておくことを強くおすすめします。
とはいえ、始めたては自分のデータがありません。だから最初の一歩は、国内外の落札相場をリサーチして「売れる×利益が出る」機種を絞り込むこと。ここを勘でやると博打になりますが、相場データを見れば「いくらで仕入れて、いくらで売れるか」が事前に見えてきます。ぼくも仕入れ前の相場チェックだけは、5年間ずっと欠かしていません。
📊 仕入れ前に「相場」を必ずチェック
eBay輸出は仕入れ前の相場リサーチが利益を左右します。国内外の落札履歴・相場を一気に確認できるオークファンは、ぼくも毎回使っている必須ツールです。
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よくある質問
Q. ランキング上位を仕入れれば儲かりますか?
そう単純ではありません。上位機種は人気=ライバルも多く、相場が動きやすい。大事なのは「自分がその機種を、利益が出る価格で仕入れられるか」。ランキングは”狙う対象の候補”であって、”仕入れの正解”ではありません。
Q. 中判以外は売れないんですか?
いえ、コンパクト機(T2/T3/Bessa)やレンズ・アクセサリも573件の中で多数売れています。今回はボディの売れ筋に絞りましたが、レンズやアクセサリは単価が低く回転も速いので、初心者の練習にはむしろ向いています。
Q. このデータはこれからも通用しますか?
相場は動くので、数字そのものは変わります。ただ「需要の厚い定番機は回転する」「利益率と売価を掛けて見る」という”考え方”は、機種が変わっても効きます。数字を覚えるより、読み方を持ち帰ってください。
📚 機種ごとの深掘りはこちら
まとめ:データは嘘をつかない
「何が売れるか」は、想像で悩むより実データを見るのが一番速いです。ぼくの573件が示したのは、中判の主力で土台を作り、利益率の高いコンパクト機で効率を上げ、高単価機でたまに大きく取る——という現実的な戦い方でした。
もう一つ持ち帰ってほしいのは、「件数・売価・利益率を必ずセットで見る」という視点です。件数だけ見れば人気機種が分かるけれど、それが利益率を伴っているかは別の話。売価だけ見れば派手だけれど、手元に残る率は分からない。3つを並べて初めて、その機種が”自分にとって”良い商材かが見えてきます。今日のランキングも、ぜひこの3軸で読み返してみてください。
そして最終的には、あなた自身の販売データが最強の武器になります。まずは相場リサーチで「売れる×利益が出る」機種を見極めるところから。データを味方につければ、仕入れはもう博打じゃなくなります。
📷 ぼくの実際のeBayストア(評価99.6%・販売2,600件超)はこちら → KYOTO_JAPAN(eBay)
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この記事を書いた人:Kai
eBay輸出歴5年、累計2,000個以上を販売する現役セラー。中判フィルムカメラを中心に世界へ販売し、実取引データをもとに「想像ではなく実数」で語る発信を心がけています。きれいごとなしの一次情報をお届けします。


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